2023年4月7日、たましんRISURUホール(立川市市民会館)にて開催された
「斎藤桃×北原義嗣 ピアノ デュオ リサイタル」。
2台ピアノは聴く人にとっても弾く人にとっても特別なコンサート。
20本の指で奏でた音には、どのような想いが詰まっていたのでしょう。
共に国立音楽大学大学院で学ぶお二人に、終演後インタビューを行いました。
―オール2台ピアノプログラム、無事完奏しました。終演してみて、また取り組んだ過程も含めていかがでしたか。
斎藤:たくさんの方々にお力添えいただき、無事に終演を迎えられましたこと、深く感謝しております。今回は初めて取り組むデュオリサイタルでしたが、向かい合わせの2台の楽器ならではの響きの立体感や、奏者と奏者の関係性の中で創る音楽の楽しさを感じながらのとても貴重な時間でした。私一人の力では見えない景色も多くあり…今後もたくさんの方々との共演の機会を大切にしていきたいです。
北原:リサイタルの開催にあたりご尽力いただきました皆様に深く感謝申し上げます。初めて挑戦するオール2台ピアノプログラムでしたが、リサイタルに向け、花岡千春先生にご指導していただくなか、斎藤さんと共に音楽を考え、創り上げていくプロセスは、僕にとって新鮮であり、また自身の音色、音のバランスを意識する貴重な機会となりました。
―今回のコンサートで、印象に残ったことは?
斎藤:私はリサイタルを間近に控えての合わせの時間が印象に残っています。当日に向けての練習やレッスン、話し合いで多くの時間を共にしましたが、その時間を経て、二人の音楽になっている!と感じられた瞬間があり、とても嬉しかったですし、ワクワクしました。
北原:リサイタルの開催前、楽屋や舞台裏で、演奏する作品のテンポ感や入りのタイミングを確認したプロセスが印象的でした。普段、ソロの演奏前は、一人で楽譜に向き合っていますが、今回のように共にステージに立つ斎藤さんと演奏の方向性を確認し、励まし合いながらリサイタルを準備できたことは、とても心強かったです。
―初共演ということで、練習を重ねてお互いを知る部分が増えたのではないでしょうか?
斎藤:常に演奏直後の細かな振り返りを欠かさないストイックな面が印象的でした。演奏中も、普段も、変わらず穏やかで爽やかな雰囲気をお持ちで、交友関係も広く、皆さんから慕われていらっしゃいます。今回のリサイタルはちょうど桜の季節と重なっていたのですが、お花見ができないのをとても残念がっていらして、芸術家らしい繊細な感性もお持ちなのだなと感じました。
北原:演奏はもちろん、普段から一つひとつの取り組みがとても丁寧な斎藤さんですが、リサイタルに向け、演奏を創り上げていくなかでは、楽譜を入念に読み込み、一つひとつの音、合わせるタイミングにこだわりを持つ彼女の姿勢に刺激を受けました。お互いの考えを出し合い、演奏を創り上げていくことはとても楽しかったです。
―最後に、これから挑戦したいこと、今後の活動について教えてください。
斎藤:今回のデュオリサイタルの貴重な経験を生かせるよう、自分の目指すべき方向を考えながら、更に精進してまいります。今は大学院で学んでいますので、演奏、研究の両面から、音楽の道を追求していきたいと思っております。今後も応援していただけましたら幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。
北原:今年度は、デュオの経験を踏まえ音色や音のバランスを深く追求し、リサイタルに向けてソロの作品を中心にレパートリーを拡げていきたいと考えております。ピアノに真摯に取り組み精進して参りますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。
ご出演、インタビューへのご協力もありがとうございました!
お二人の益々の活躍をお祈りしております♪